【ARYA:ひとりごと】
>>ひとりごと-INDEX
>>Guestbook
>>HOME
2001.7.01
『陰陽師10巻』
陰陽師:安倍清明(あべのせいめい)がブームになって、先頃はNHKでドラマ化、今年後半には映画が公開するなんて展開を誰が想像できたでしょう?
ブームの火付け役となった岡野玲子さんが描く「陰陽師」。第5回手塚治虫文化賞・マンガ大賞を受賞して、岡野さんの才気が炸裂しまくっている感じの10巻でした。
当初から全12巻刊行予定となっているので、あと2巻で完結。前9巻の内裏炎上から、まさに今クライマックスを迎えているというテンションの高さ。
真葛が見てしまった、清明の絶対的な孤独。そして自ら天と地を結ぶ絶対的な存在となることを受け入れた清明。清明の内なるエネルギーが発動する瞬間を、セリフがほとんどない絵だけでみせつける圧倒的な岡野さんの技量!それは、絵で描かれた清明からオーラを感じてしまうほど。
かつて、萩尾望都の「トーマの心臓」と「銀の三角」を読んだとき、マンガでここまで深い精神世界を描ききれることに感動がおさまらなかった記憶があるけど、その萩尾さん自身が大ファンだという「陰陽師」も、まさに神業に近い領域に達している感じ。
最近自分の中にさまざまな迷いが実はあるんだけど、「陰陽師」に描かれた清明の姿と言葉を目にすることで、すごく癒された気分になったんだ。すごいよね!読むだけで癒されるなんて!
>>ひとりごと-INDEX