【ARYA:ひとりごと】
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2002.01.05
『メメント』
昨年秋から単館公開されて連日大入りの話題作。やっと観れたぁ!
妻が惨殺された以降の記憶が、たった10分しか持たない「前向性健忘」という障害を追った男。ついさっきのことが、少ないメモリーから押し出されるように消えてなくなってしまう。だから、忘れてはいけないことを、数分先の自分に伝言するため、メモとポラロイドに保存。最も重要なメッセージは、自分のカラダにTATOOで残して。
この映画の挑戦的なところは、プロットを生かし観客に実感させるために、1シークエンスごとに時間が遡っていくという展開。つまり、映画が始まったとたんにラストシーンなわけ。
この展開は、すごいスリリングだったね。時間が1つ前にシフトする度に、観客の頭の中ではさっき目にした出来事の再構成が行われるわけですよ。だから、一瞬でも画面で起きていることを見逃さないよう、すごい集中力で映画を観ちゃうのさ!
そして、映画が進行するにつれて明らかになる<結末>との矛盾。誰が本当のことを言っているのか?真実はどれだったのか?…いやぁ、すごい面白かったね!これぞ映画!って感じだった。ハリウッド映画は、映画の中のほんの1部なんだってこと、思い知らされた気分でした。
記憶が初期化されるたび、自分のカラダに残されたTATOOを再確認する主人公。だから、部屋にいる時はほとんど裸。スリムでカッコいいカラダしているんだけど、プロット上これほど裸でいることに説得力ある映画ってのも珍しい。1人で部屋にいる時だけが、彼にとってニュートラルな状態なわけだから。
「ファンタスティック映画祭」で観たら、拍手喝采だったろうなぁ。役者も演出も脚本も、ほんと新たな才能が発動って感じです。
渋谷のシネクイントで「メメント」を観た後、すぐ前のシネマライズで「アメリ」を観る予定が、長蛇の列ですでに次の回まで立見の表示。げげっ、そうだ、有楽町のシネ・ラ・セットでもやっていた!と思い、場所を移って有楽町へ。並んでいる様子がないのでしめしめ…とドアに近づいたら、すでに本日分の入場受付はすべて終了の告示。がぁ〜ん。さすが、ミニシアター系映画最大のヒット作と言われるだけあるね。
という訳で、昨年見損なっていた最大の負債、「千と千尋の神隠し」を観てきました。サスガでございました。青蛙がかわい過ぎ。
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