GWの最終日、東京を大縦断して向ヶ丘遊園駅まで岡本太郎美術館・企画展「ゴジラの時代」を観に行きました。
第2次世界大戦の傷跡からようやく復興してきた昭和29年に誕生した1作目の「ゴジラ」から、最新作の「GMK大怪獣総攻撃(傑作)」まで、それぞれの時代とゴジラ映画の関係を、ポスターや怪獣の撮影用スーツ、特殊造形物などの展示で紹介する企画。
夏休み前の7月28日までという展示期間からも分かるように、ハッキリ言ってオトナ向け。
水爆実験と戦争の恐怖を象徴したゴジラが、怪獣映画というジャンルのスターとなり、子供向けのキャラクターと化して行き詰まり、やがてコワイ存在のゴジラとして何度かの復活を遂げる。
米ソの冷戦や宇宙開発競争、公害問題など戦後の日本の社会とゴジラ誕生以来の歴史、それをクロスさせて検証する試み。今後さらに磨きをかけて濃い内容のコレクションとして完成させてもらいたいと思いました。今回はまだ序の口、あるべき展示会の予告編のようでもあったから。
それでも、東宝怪獣特撮映画を観て育ったぼくらの世代には、懐かしくてうれしい展示物がたくさんあった。駄菓子屋で集めた映画のスチール写真。それを大型のプリントパネルで見る喜び。みんなかつて持っていたスチールばっかりなんだもん!ほんと、僕にとっては映画の原体験そのものなんです、怪獣特撮映画は!
シネマスコープの大画面で展開する破壊シーンのカタルシスと、荒唐無稽ながら大人びた設定。これぞ怪獣映画という興奮を生む伊福部さんの音楽!
最新作のゴジラ映画は、怪獣特撮映画を愛している金子監督が作っているんです。平成ガメラ・シリーズで、子供の頃興奮した怪獣映画のテンションを甦らせてくれた人。
時間軸としてゴジラと歴史を考える前に、怪獣映画としてゴジラ・シリーズと出会い魅せられた世代。同じ想いを抱いていた人たちが、今のSFアニメなどの作り手として新たな歴史を作っているんですよ。これはすごい遺産だと思います。
そしてゴジラ君と友達のように…【→NEXT】
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