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『GODZILLA』を初日に観てきましたー!
公開までは内容を一切公表しないというプロモーションで、「ヤツはこのビルと同じ高さ」「ヤツなら東京-大阪間1時間」なんていう面白い広告をしたくらいだから、このページでもネタバレはしないから安心してね。
それで映画はどうだったかというと、面白かった!
緊張感が持続せずにとってもお寒い映画だった『インディペンデンス・デイ』の制作スタッフによる映画化ですから、内容的にはほとんど期待してなかったんですよ。
怪獣映画の魅力って、都市や文明が巨大な生き物によって破壊されるカタルシスにあると思っているのね。だから『ジュラシック・パーク』以降のデジタル技術によるゴジラの動かし方と、この目で観てきたニューヨークの景観をどれほど破壊してくれるのか、という部分さえ満足させてくれればいいんです。結果はOK!そこだけでも観るべき価値があります。
全米公開の興行成績や日本版ゴジラと全く違うデザインがニュースで報じられちゃうくらい、ゴジラは日本を代表する文化創造物です。国民感情に訴えるだけの器なんですよ、ゴジラは。だからデザインが東宝製ゴジラと随分違う点で、がっかりしちゃったような空気が一時流れたよね。これじゃ『ジュラシック・パーク』と同じじゃないかって。
90年代の末にあえて制作されるハリウッド製ゴジラに、『ジュラシック・パーク』の技術を使わないワケないじゃないですか。人間が中に入るぬいぐるみの制約から解放されたゴジラのデザインは、動きをみれば納得です。
ただし、足の印象は強く残っても、顔の印象が弱いんだよなぁ。イグアナみたいとか、ワニみたいとかでなく、これがゴジラだよ、という顔にして欲しかった。そこはやっぱり残念でした。
『インディペンデンス・デイ』では、大統領自ら戦闘機に乗っちゃって、をいをい…って感じだったのですが、『ゴジラ』では大統領の存在がまったくありません。きっとまた戦闘機に乗りたがっちゃうから、誰も大統領に報告しなかったのでしょう(^_^; だいたい登場する軍が、米軍ではなく州軍みたいなんです。ニューヨークって独立国家だったのかもしれませんね。
そんな軍の描き方への疑問点や「自然からの報復は必ず来る」というテーマが描き切れていないとか、巨大感ばかりで恐怖感が作り出せなかったなどのマイナス点はあるにしても、観終わった直後の印象は、不思議と『ラドン』や『モスラ』などの初期東宝特撮映画を観た感じに似ていました。
至る所で、制作者側が東宝の創った『ゴジラ』をラヴ&リスペクトしていることが分かります。クレジットの一番最後に、1954年制作初代『ゴジラ』のプロデューサーである田中友幸氏に捧げるという一文が入っていたし、ゴジラのキメ・ポーズの作り方がハリーハウゼン的だったりして、特撮映画テイストがちゃーんと入っているんです。
パンフレットと一緒に買ったメイキング・ブックによると、ゴジラの3DCGモデリング・データはViewPoint製、アニメーションはSoftImage、レンダリングにはPrizmsを使用したそうです。SoftImageとPrizms間のデータ・コンバートに苦労をしたという、ニヤニヤしてしまうエピソードなどが書いてありました。
豪華アーティスト点呼盛りのサウンドトラックからのナンバーは、案の定ほとんど使用されていませんでした(^^;
Led Zeppelinの「カシミール」をリミックスしたPuff Daddyの「COME WITH ME」は、ゴジラの鳴き声をとってつけたようにプラスしたバージョンで流れます。でもあの曲がまるっきり使われていなかったのには驚いたな(^^;
P.S. 98-07-19
今日、改めて1954年版『ゴジラ』のビデオを観ました。うーん、やっぱ映画としてはこっちの方がはるかにしっかりしている。破壊された街や住むところを失った人たち、多くの死傷者をみて、ちくしょう!と怒りをぶつけるような深刻さが、USA版『GODGILLA』にはなかったもんなぁ。水爆でさえ死なない巨大生物、という設定がどうして生かされなかったんだろうなぁ。
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