95年1月号の創刊時より、定期購読で読み続けていた雑誌『WIRED』が、最終号を迎えてしまいました。
雑誌の創刊/廃刊はさして珍しくはないのですが、デジタル時代のジャーナリズムを掲げて、読むことがアクセス!というキャッチがインターネット時代到来の象徴であった『WIRED』の終焉は、なんらかの「意味」を感じとらざるを得ません。
告知では<休刊>とされ、発行社の解散と米国「WIRED」社の売却という理由で雑誌は姿を消すことになったそうで。
デジタル関連の雑誌というと、技術そのものか、ハード/ソフトの専門誌しかない中で、デジタルという切り口から世の中で何が起こっているか?を紹介する『WIRED』は、貴重な情報源でした。
小学生の間で『ポケモン』なる育てゲーが不気味な速度で流行っている、というのを知ったのも、300万枚ヒットが連打する今の音楽業界が構造的な慢性不況下にあるのを知ったのもこの雑誌でした。
米国『WIRED』誌は、誌面のエディトリアルデザインの斬新さを売り物にしていて、日本版でも、グラフィックデザイナーが「きゃ〜!」って叫びそうな(実際叫んでいた)、手間と金のかかる特色使いをヘーキで連発するデザインが楽しゅうございました。
後期、急に文字組がタテになり、しかも広告ページや従来コーナーなどが横組のまま、というとてつもなく醜悪なデザインになっちまいましたけど、やがてタテ組みの調子もついてきたところで、緞帳は降りたのでした。ちょん。
ネット上に存在する『HOT WIRED』は継続されているし、月1回の雑誌よりもオンラインの方が情報が早い、という現実はあるんだけど、情報を取り入れる側に立つと、紙面でまとめて活字を追った方が効率的なんだよね。
WEBを飯の種にしている人間が言うのもヘンなんだけどさ。
ディスプレイ上で文字を読むのは、読む側への配慮が施されたデザインがないと、キツイことは確かです。
デジタル系カウンター・カルチャー誌といえば、昔『GURU』って雑誌もあったよね。創刊号から4号までは、ともかく凄かった(^^;
こうやって『WIRED』も1つの伝説となって、身近になった本当のワイアードな世界(ネットの世界)と融合して、情報はまた混沌の海に戻っていくんだね。
ああ、とっても詩的。とっても「lain」ちっく。
そういえば、バーチャル・アイドル達は何処に行っちゃったんだろう?(笑)
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