Diary
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Mr.Children/終わりなき旅 1998-10-31
BORDER

最近はめっきり行かなくなったカラオケだけど、行った時に必ず歌うのがミスター・チルドレンの曲。
僕にとってのミスチルは、Led ZeppelinやDavid BowieやSTINGと同格の"特別な"存在なんです。

ミスチルを聴き始めたのは「イノセント・ワールド」の頃。
ヘンに文学的でも哲学的でもないリアルな内省世界を言葉にした歌詞。この歌を自分でも歌ってみたいぞ!という気にさせてくれたのがきっかけでした。
ただこの頃は、音楽的にはそれほど強い魅力は感じていなかったのね。自分が好きだった洋楽に似たアレンジをするバンドだなって程度でした。

音楽的にもミスチルを認めるようになったのは、桑田圭祐と競演した「奇跡の地球」リリース後に行なったライヴからかな。持ち歌を歌わずに、彼らがリスペクトするロックのクラシックを演奏するという内容でした。
そこでプレイされたのが、<ピンク・フロイド>や<ザ・フー>だったりした訳。こういうロックが好きで、ポップであることの前にロックであることにこだわった彼らの姿勢には、共感を覚えました。
大好きなアルバム『深海』では、ドラムの音の録り方がもろZeppelinだったし、Queenのようなアレンジもあって、やってくれるじゃんって思ったものでした。

「Tomorrow never knows」は、とびきり思い入れのある曲です。
当時は社内でもメインストリームでない業務の、さらに特殊な専門職をやっていて、「なんで自分はここにいるんだろう?」と悩む日々でした。結婚生活と多忙な日々の間で、自分の輪郭を見失いかけていた時でもありました。
〜誰かのために生きてみたって Tomorrow never knows〜
この言葉が、当時の自分にものすごい励みを与えてくれたんですよ。そういう言葉を、誰かに言ってもらいたかったんです。
自分勝手と思われても自分が自分らしくなければ、誰からも見向きもされないつまらない存在で終わってしまう、そんな危機感を脱することができました(堂々と妙な自分を出せるようになったってことかも)。

桜井氏の書く歌詞は、そのまま桜井氏の現実なんかじゃなく、あくまで作品として書かれたものですが、現実を見据えたクールな視点が魅力です。
TVドラマのように、人は恋愛のためにそんなに多くの時間は裂けないよね。人の価値は、この人がいることでなにができるかってこと。そのために人は日々自分を鍛えていくことになるんだろうね。
そんな前だけをみている人が、悩んだり挫折して弱まっている時、人の愛情がやけに力になったりします。だからって、ビタミン剤のような愛情を声を高くして歌いあげても、ドラマのような展開にはあんまりならないと思うけど。バランスのいい食事からビタミンを摂取するのが一番いいんだろうけど、それもかなり難しいしね。
愛こそが全て、そんな夢物語を桜井氏は歌わない。その潔さがカッコいいと思います。

長い活動休止期間の後、やっとリリースされた新曲「終わりなき旅」。
いかにも彼ららしいタイトルと曲。
【es】と同系列にあるような曲だけど、さらに贅肉を削ぎ落として前向きなメッセージが込められています。歌詞から自分とオーバラップする部分を探して、口ずさんで自分を奮い立たせてくれる曲。
もちろんファンである僕は、発売日前日にはゲットして、相変わらず広い音域に鳴きながら歌う練習をしています。
弱まっている時口ずさめば、また力を与えてもらえるような気がします。




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