盗品を路上で売りさばいて生計を立てているような若者エディとトム。さらにベーコンと唯一カタギのソープの4人組は、いつもつるんでいる仲間だ。
エディは、ロンドンの下町、地下鉄が通るたびに揺れ、クローゼットを開けると隣の会話が筒抜けの安アパートに住んでいる。仲間の溜まり場でもある。
彼らは資金を出し合って、大きな賭を企んでいた。
表情の微妙な変化を読みとることが得意なエディに、町のボス・ハリーの店で行なわれる高額カードゲームに挑戦させるのだ。
だが、いくらエディの得意技をもってしても、ハリーのイカサマの前には太刀打ちできなかった。エディの席の後ろの壁にはビデオカメラが仕込まれており、別の部屋でエディのカードを盗み見て、ハリーのふくらはぎに仕込まれた振動器にモールス信号を送っていたのだ(笑)
ラストゲームで、高額の掛け金をふっかけられたエディは、10万ポンドの借金をしてしまうことになる。1週間で返さなければ、仲間全員の指を詰めて父の経営するパブを差し押さえるぞ!と一方的に言い渡された。朦朧としているエディは、仲間の待つパブに向かった。1人ではとても用意できない金額だ。4人でなんとかしなければ。
お話変わって、大学を出てのほほんとアパートでマリファナ栽培をしている若者たちがいる。
なかなか良質なハッパの栽培をしているのだが、セキュリティは玄関内を檻で囲う程度。中心人物の若者は、お前らはいざというときに信用できん!とイラついている。
ハリーの手下に、子供を連れて借金の取りたてをしている男がいる。
汚い言葉を使うことに神経質な性格をしている彼は、ハリーから期日までにエディから10万ポンドをまきあげてくるよう命令される。
まず、押さえとなるエディの父が経営するパブへ行き、父にいきさつを説明した。父は、なんで息子のためにこの店を手放さなきゃならん?と相手にしない。
ハリーは銃マニアでもある。落ちぶれた金持ちウィンストンがオークションにかけようとしている骨董品のライフル。それが欲しいのだが金を出す気はなかった。いつも近くにいる巨漢の手下に、ウィンストンが所有するすべての銃を盗むよう指示を出した。
巨漢の手下は、郵便局専門のコソ泥2人組にウィンストン邸に忍び込んですべての銃を盗むよう指示を与えた。肝心の骨董品の価値をあえて言わずに。
コソ泥2人組は、手際は悪かったが銃を盗むことに成功した。だが、巨漢の手下に手渡した銃の中に骨董品のライフル2丁がない。必要経費を捻出するため、一番ボロイ銃を安く売り飛ばしてしまったというのだ。
早く取り戻して来い!ハリーからも脅しがかかり、コソ泥2人組はビビってしまった。
お話戻ってエディの隣の部屋から、金になる話が漏れ聞こえてきた。
ルーズな管理のマリファナ栽培野郎のことを得意気に話す男が来ていた。隣人は、そこを襲って金とヤクをいただく計画を立てていた。
エディは仲間に相談する。隣人が強盗から戻ってきたところに奇襲をかけ、金を横取りしてしまおうと。リスクはあるが、1週間以内に10万ポンドという大金を手に入れる方法は他に考えられなかった。
仲間のトムが、デブの闇のバイヤーに銃の手配を頼んだ。700ポンドで買った2丁の銃は、何とあのウィンストン邸にあった骨董品のライフル。でも彼らにとっては、ただのオンボロ銃だった。
さらにトムは、マリファナをさばくのをデブのバイヤーも手伝うよう頼んだ。そのデブは、町の黒人ギャングのオフィスにハナシをつけに行く。
エディの隣の部屋に男たちが集まり、いよいよ強盗が決行された。配達屋のユニフォームを調達した男たちが、車に乗り込んでいく。
隣人たちがやってきた時、マリファナ栽培をしている若者たちは金の整理をしていた。中心人物の男がいたことで、玄関に設置された檻も今日は開けっ放しではない。
予定と違う展開に腹を立てながら無理矢理中に押し入ろうとしていた彼らは、銃をぶっぱなして若者たちを脅した。
そういう極道の世界に不慣れな若者たちの金とヤクは、簡単に強盗の手に落ちてしまう。だが、ブツをゴミ袋に詰めて車に詰め込んでいる最中、おまわりが駐禁の切符をきろうとしていた。とんだハプニングに、強盗の1人はおまわりを殴り倒してブツの袋と一緒に車につめこんでしまった。
隣人たちが戻ってきたところを狙って、エディたちが臨戦態勢を整えていた。
そして、思わぬ奇襲にあっけなく金とヤクを横取りすることに成功してしまう。
これで借金を返しても有り余る金を手にしたことになる。ヤクもたんまりある。エディたちは外に出かけ夜通しはしゃぎまわった。
デブのバイヤーは、取引のためにマリファナのサンプルを黒人ギャングのボスに渡した。だがしかし。それは、その黒人ボスが命じて栽培させていたヤクだったのだ。
誰から取引を命じられた?追いつめられたデブは、エディのアパートの住所を吐いてしまう。
骨董品の銃を誰に売ったのか?それがエディの仲間だと分かったコソ泥も、エディのアパートに向かった。
強盗したブツをあっさり横取りされた隣人は、怒りにうち震えていた。盗聴器を疑ったが、部屋にはない。町のチンピラどもでもないようだ。ぶち切れた隣人は、思わず仲間を壁に投げ飛ばした。すると壁を突き破ったその先に、マイクとテープレコーダが置かれていた。犯人は、隣に住んでいたヤツだ。
待ちかまえて皆殺しだ!金とヤクを奪い返して、彼らは銃を構えた。
最初にエディの部屋に乗り込んできたのは、黒人ギャングの一味だ。激しい銃撃戦が行なわれ、結局双方全滅してしまった。隣の部屋で金の勘定をしていた隣人だけが助かり、逃亡しかけた時…。
そこに現われたのが、子連れの取りたて人だ。エディと直接顔を合わせたことのない取りたて人は、隣人をエディと勘違いして、金と銃を奪ってハリーの元に向かった。
骨董の銃を取り返そうとやってきたコソ泥は、お目当ての銃を持って車で去っていく取りたて人のあとをつける。
貸した金と欲しかった銃が同時に手元に届いたハリーはごきげんだ。報酬金を取りたて人に与え、ゆっくりと銃に見入っていた。
夜通しはしゃぎまくって部屋に戻ったエディたちは、呆然とした。死体の山だらけだ。
おまけに金まで奪われている!借金返済の期日だというのに!エディは、金を奪われたことをハリーに告げるために電話をかけた。
帰ってきた言葉は「金はたしかに受け取った」という返事。ところでなんでこんな銃をもっていたんだ?聞きたいからいますぐに来い、電話はそこで切れた。
取りたて人が出てきたドアをコソ泥がじっと見ていた。
とにかくあのボロい銃を返してもらわねば。そこがハリーのオフィスであることも知らずに、銃を構えて乗り込んでいった。そして。なりゆきで銃の撃ち合いとなり、ハリーとコソ泥と巨漢の手下は全滅してしまった。
エディがそのオフィスに到着したときは、そこもやはり死体の山だった。
いったい何がどうしたんだ?とにかく、勘違いした町の悪者は全滅してしまった。もしかして、僕らは何も法に触れることをしてないんじゃないか?
ハリーの死体の傍らにあった、金の詰まったバッグを持ってエディは立ち去ろうとした。だが一緒にいたトムは、銃を持っていこうとした。構わず車に戻ったエディは、突然後方から来た車にぶつけられ気を失ってしまう。
ぶつけてきた車の中では、追ってきた隣人が子供にナイフをつきつけて取りたて人を脅していたのだ。衝突した勢いで、取りたて人は車のドアで隣人の頭を何度も叩きつけた。よくも俺に汚い言葉を使ったなと激怒しながら。
そして、ぶつけられたショックで気を失っていたエディから金の入ったバッグを、チンピラの物取りだと思って奪っていった。
警察に事情徴収を受けたエディたちは、無罪放免された。殴られて犯行に使われた車に詰め込まれたおまわりさんが、犯人じゃないと証言したからだ。
ここまでヤバイことをやっておいて、結局彼らは何もしていないことになってしまった。そこで、実はトムが例の骨董銃をまだ持っていることを告白する。ばかやろー!早く捨ててこい!そんなもの持っていて、人生を棒にふるのはごめんだ!トムはしぶしぶ川に銃を捨てに行く。
しばらくして、エディたちのテーブルに、取りたて人が現われた。
お前らのおかげで俺は失業だ。そう言って金の入っていたバッグを置いていった。取りたて人が店を出るのを待って、そのバックを開けると…、金は入っていなかった。かわりに銃の本が一冊。パラパラとめくってみると、なんとあのボロいライフル銃の写真が載っている。しかも価値は35万ポンド。あわてて銃を捨てに行ったトムに携帯電話をする彼ら…。
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