映画のフィルム

僕が中学生だった頃は、おおらかだったんだね。今の中学生とは比べものにならないくらい少ないおこづかいで、映画フィルムの一部が買えたんですから。ビデオもなかった時代、映画は最初の公開が終わったあと、2番館や名画座といった値段の安い劇場で、週替わり上映されていました。何年もいろんな映画館をまわって、ボロボロになったフィルムを、切り刻んで売ってたんでしょうね。
たしか作品は選べなかったと思うのですが、名作「明日に向かって撃て!」のフィルムクリップを5種類、「80日間世界一周」のフィルムクリップを4種類、そして70mmプリントを4種類、手に入れることができました。
僕が中学生の頃といったら、デジタル的には有史以前ってくらい昔。その時点ですでに色あせしていたので、久しぶりに見てみたら、ほとんど色が残ってない!フィルムの退色って深刻だなぁと実感しましたね。早めにデジタルデータで残しておかないと!
映画のフィルムは、写真で使う35mm巾のフィルムをタテに使って大きなロール状に巻き上げます。
「明日に向かって撃て!」の画面サイズは、2.35 : 1 のシネマスコープサイズ。横方向に圧縮した画を、映写機に横方向だけに引き延ばす「アナモフィックレンズ」をつけて上映します。DVDやBlu-rayでは、スクイーズと呼ばれる方法と同じです。

というわけで、やってみたかったですよ。この手元にあるフィルムを、2.35 : 1 にして見てみるってことを。中学生だった頃、Photoshopなんてものができて、CS4までバージョンが進歩する未来になるなんて、想像もできなかったし!
今は35mmフィルムの性能がよくなって、音響もDTSやSDDSができてから、あえて70mmプリントを作る必要がなくなってしまいました。昔は、ポスターや広告に[70mm]のマークがついていると、超大作映画の証のように思えたものです。35mmフィルムと比較すると、1コマの大きさ、非圧縮のワイド画面に、おおお!でかっ!と思いますよね。映画1本分のフィルムの重さを想像しても、70mmってどんだけ重量あるの?ってびびってしまいます。それがこれからは、デジタルデータを収録したハードディスクの重さに変わるんですね。
映画好きな人でも、映画のフィルムに興味のある人はそういないでしょう。でもホラーや特撮映画マニアの中には、好きな映画のフィルム・コマを集めている人がいるようです。
町山智浩さんのPodcastで、東宝特撮映画特集のオールナイトをよく企画していた浅草東宝でかかる「モスラ」は、繭からモスラが誕生するカットの途中がコマ飛びしてるプリントだから、なくなってる数コマのフィルムは、絶対誰かが切って所有しているはずだっていう話をしてました。
僕が持ってるフィルムは、某洋画配給会社が運営していた映画ファン用の通販で買ったものです。僕は盗んでませんからね(笑)
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