1999年に観る1本目の映画はこれだと決めていた、「ジョー・ブラックをよろしく」。
だって僕、ブラッド・ピットのファンですから!
交通事故で死んだ若者の姿を借りて、死神が死の宣告をするために、大富豪の前に現われます。死神は人間界を知るためのガイド役を大富豪に任命しました。その間死期を延ばしてやるという約束つきで。企業の社長である大富豪と行動を共にする死神。やがて彼は大富豪の娘と恋に落ちてしまい、この世を去りがたくなってしまいます…。
こういうストーリーなら、たかだか90分もあれば語り終えることができるでしょう。
でもこの映画は181分もあるんです!
僕はブラピのファンですから、たとえ新作が「13日の金曜日PART13」であったとしても心躍らせて観に行ったでしょうが、ファンでない人にとってはキツイんじゃないか?と余計な心配をしていました。
ところがです。181分という時間が必要な映画だったんですよ。最初に言っておきましょう。これはとてもいい映画です。静かに、丁寧に、人間を描いています。ちょっとした仕草、表情、セリフの間などが、実にみずみずしくリアルなんですね。
ですから、この映画は間違ってもビデオで観ないでください。観るんだったら、181分の間生活に邪魔されないようしっかり時間を確保して、電話線も抜き取って雑音を排除し、できるかぎり大きな画面で観て下さい。
そして、瞳の中を、セリフ以外の心の動きを、じっくり堪能してください。
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