銀閣寺

僕の記憶はフラッシュメモリーらしく、昔のことはきれいさっぱりクリアーされてる場合が多いのね。中学時代に訪れたはずの銀閣寺も、記憶には何も残っていませんでした。
本当に僕はここに来たことがあるのだろうか?疑惑が膨らみます(いや、あるはずなんだ)。
反対にえみはすごく記憶の保ちがいい。それはきっと、僕の場合は映像で記憶をストックしているのに対して、えみはテキストで記憶を蓄えているから、保存できる情報量とレスポンスが違うのでしょう、という結論に達しました。

銀閣寺
話がいきなり逸れましたが、銀閣寺です。
もともと住居として建てられたものを主の死後禅寺と改めたところなので、きらびやかなところが無く、まさに<わび・さび>の空間。
禅寺といえば、茶。今回は国宝の東求堂が公開されていて、日本で最初の書院造りの茶室を見てきました。
窓を30cm幅ほど開くと、そこから庭を眺めることができて、それが季節ごとに変わる掛け軸に見たてているという趣。こういう空間的な創造性は日本文化だよねぇと関心するけど、全体的な印象はとてつもなく質素。
かと思えばこの銀閣。建てられた当時は漆(うるし)で塗装されていたそうで。漆塗りの腕は食器乾燥器に入れちゃいけないから、洗ったらその場で水気を丁寧にふき取ってしまうもんなんだぜ。そんな耐候性のないもので塗ってどうするんだ?って思いました。結局その漆は雨風にさらされ変色しちゃって、白く輝いて見えたところから銀閣寺という俗称がついたのでは?という解説がありました。

 シュールな盛り砂
ここの庭には、白砂を盛って作られた造形物があります。円錐形と巨大な落雁(砂糖を固めた菓子ね)のようなやつ。現代彫刻のようなシュールさです。
この砂にはガラス粒子が混じっているらしく、レフ板や映画館のスクリーンと同じような反射効果があるんです。周囲をやわらかい光で照らし、暗い室内も真っ暗になることがない趣向は、風流というか、生活の知恵的な質素さを感じました。



RETURNNEXT